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 アンドレ=シトロエン公園 ③  Parc-André-Citroën 3 

 
6つの庭を分ける5つの壁は、歩道橋の通路から南のアクスまで、斜路になっていて、そこに、イタリア風のカスケードが流れている。歩いて通ることはできないが、“歩道橋の通路” から、この部分だけ、アクスを見ることができるので、両者を連携させる工夫とも思える。1枚目の写真(❶)は、緑と青の庭の間のカスケード、2枚目の写真(❷)は、金(確かに葉が黄色い)と銀の庭の間のカスケード。こちらは斜めから撮ったので、カスケードらしさが良く分かる。正面に見えるのは、何れも、公園の一部ではなく、その向こうに隣接するフランス原子力・代替エネルギー委員会の建物(❸)。公園の南半分を占めるのが、フランス式庭園らしいアクス。アクスの起点は東の端にある巨大な直方体の “ガラスの大温室” 2棟と、その中央にある、リズミカルにコントロールされている “噴水の広場”(3枚目の写真、❹)。この公園のアクスの特徴は、実験的な試みとして、斜交アクスを加えたこと。6庭園の中央から、“ガラスの大温室” の南まで、アクスと交差して斜めに伸びている。4枚目の写真(❺)は、6庭園の中央から、“ガラスの大温室” の南に向かう斜交アクスを撮ったもの。5枚目の写真(❻)は、“ガラスの大温室” の南から、6庭園の中央に向かう斜交アクスを撮ったもの。6・7枚目の写真は、アクスの南側に設けられた “横切ることのできない長さ約200mのカナル” を撮ったもので、 6枚目はカナルの南の通路から(❼)、“ガラスの大温室” の方を撮ったもの。7枚目はその逆に、“ガラスの大温室” 側から(❽)、セーヌ川に向かって撮ったもの。カナルの岸には7つの “石の塔” が等間隔に並んでいる。同じような “石の塔” に見えるが、似ているのは外壁側面の石の横縞模様(似たような縦縞模様は塔と塔の間にある石の壁にも続いている)と、“石の塔” の内部に黒い石が使われている点だけ。“石の塔” のカナル側は、端から、①夜にライトアップできる不透明ガラス、②展望台、①、③黒い石壁の中央に縦の隙間の空いたもの、①、②、①の順(左右対称)になっている。8枚目の写真(❾)は、7枚目(❽)と比較すると、青い気球が写っているので、似た方角から撮っていることが分かる。ならば、7枚目の写真でカナルは “石の塔” の右にあるのに、8枚目ではなぜ左にあるのか? それは、信じられないことに、“石の塔” の両側に別々のカナルがあるから。それなら、なぜ6・7枚目の写真(❼❽)には、“石の塔” の横に石の壁があるのか? それは、2つのカナルが設置されている場所の高さが違うから。7つの “石の塔” のうち2ヶ所に展望台に登る階段がついていて、その階段を登ったところに、8枚目の写真(❾)のカナルがあるという変わった設定。実は、5枚目の写真(❻)で一番左の通路を進むと、❾の地点に出るのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 


これほど先進的で大きな都市公園は “驚異” とすら言える。トロントの繁華街に1994年に開園したヨークヴィル公園の計画図(下の図)はなかなか先鋭的だが、いかんせん、面積はアンドレ=シトロエン公園の50分の1以下。日本でも、革新的な公園として、養老山地のふもとに養老天命反転地(1995年)、淡路島に淡路夢舞台(2000年)、札幌市郊外にモエレ沼公園(2004年)などが作られたが、大都市の市街地公園ではない。アンドレ=シトロエン公園が如何に異例か、アンドレ=シトロエンの名を冠した理由も納得できる。