ビュット=ショーモン公園の池の中央にあるベルヴェデーレ島(Île du Belvédère)には、2つの峰がある。1つは、頂上にシビル神殿(Temple de la Sibylle)という、如何にもイギリス式自然園を思わせるパビリオンの建つ峰。もう1つは1枚目の写真のように、岩の牙のように突き出た峰。どこを見ても、この峰の名前は書いてない。ただ、「パリとフランスのブログ」というドイツ語の個人サイトに、この岩のあたりの景観と、エトルタの白亜の崖を比較した面白い写真があったので、2枚目に掲載する。3枚目は、シビル神殿の付近の危なげな人工の岩肌を撮ったもの。フランス語の公式なサイトでは全く触れられていないが、ベルヴェデーレ島は非常に質の悪い泥灰岩で覆われた石膏の丘なので、人工の岩と天然の岩が混在して用いられた。人工の岩というのは、コンクリートを使った岩の模造品で、補強のためにあらゆる場所で使われている。1869 年、イギリスの庭師ウィリアム・ロビンソンは、コンクリート尽くめの公園に不快感を覚えたと書かれている。3枚目の写真で、神殿の下の左半分は表面がコンクルートで固められている。4枚目の写真は、島と庭園を結ぶ2つの橋の1つの石アーチ橋(長さ12m、高さ22m)で、1900 年代初頭から、この橋での自殺者が多かったことから、「自殺橋(Pont des Suicidés)」という非公式の名前が付いている。5枚目の写真は、橋の横に残る石切り穴の崖。6枚目の写真は、島や橋の南にある「高さ 32mの人工滝のある洞窟」の入口(穴の中に白い滝が見える)。この洞窟の天井にある鍾乳石はすべて補強セメントで作られた偽物。最後の写真は、標高の高い東側からの、如何にも都市公園らしい風景。なお、庭園のもう1つの吊橋は、エッフェルが架けたものなので、橋の方で紹介する(No.63)。