ミラボー橋は、1893~96年にポール・ラベル(Paul Rabel)の設計で作られた上路の鋼アーチ橋。長さ173mで3スパン、中央のアーチのスパンは93m。技術的な特徴としては、橋脚の基礎工に、現在では定番のニューマチックケーソン工法(地下に埋めるケーソンの下部に作業室を設け、圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぐ工法)をフランスで初めて採用した点。デザイン的には、典型的なネオ・バロック。著名な彫刻家ジャン・アントワーヌ・アンジャルベール(Jean Antoine Injalbert)が制作した4つのブロンズ像、「豊穣」(L’Abondance、上流側の左岸側橋脚)、「水運」(La Navigation、同右岸側橋脚)、「パリ市」(La Ville de Paris、下流側の左岸側橋脚)、「通商」(Le Commerce、右岸側橋脚)が置かれている。普通、ネオ・バロックの橋の彫刻といえば石像で、表現はもっと静的なので、これほど大きく、華やかで、目立つブロンズ製の像が置かれることは珍しい。なお、右岸側の銘板には、ギヨーム・アポリネール(Guillaume Apollinaire)が1913年に “ミラボー橋” の詩を詠んだのを受けて、最初の1節が刻まれている。「ミラボー橋の下をセーヌが流れ、私たちの愛は忘れてはならない。悲しみの後にはいつも喜びが訪れ、そして夜の帳が下りる。日々は過ぎ去り、私は留まる(Sous le pont Mirabeau coule la Seine et nos amours faut-il qu'il m'en souvienne. La joie venait toujours après la peine vienne la nuit sonne l’heure. Les jours s’en vont je demeure.)。1枚目の写真は、左岸下流側から撮ったもの。こうして見ると、後の2枚と違って非常にフラットな橋に見える。2枚目の写真は、右岸下流側から、ブロンズ像を主に撮ったもの。近くから撮っているので、橋はアーチではなく三角形のように見える。3枚目の写真は、左岸上流側から、これもブロンズ像を主に撮ったもの。なお、この写真を撮ったすぐ横に、ジャヴィル駅がある。