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ビル=アケム橋
Pont de Bir-Hakeim
ビル=アケム橋
(1905年)は、20 世紀初頭に整備された現在のメトロ2号線と 6号線のうち、6号線がエッフェル塔の近くでセーヌ川を渡る2層構造の橋。長さ247m、幅25m。担当は、技術者のルイ・ビエット(Louis Biette)と建築家のジャン・カミーユ・フォルミジェ(Jean-Camille Formigé)。一層目の鋼アーチは、車道と歩行者用で、典型的なネオ・バロックの、ヨーロッパの大都市にはよくあるタイプの橋(ミラボー橋ほど派手ではない)。フランスのサイトを見ると、1層目の橋脚の上の像(鍛冶屋、船乗り)ばかり取り上げ、この橋で一番重要な2層目の6号線の橋脚について、アール・ヌーヴォーの美について語るフランス人は誰もいない。この高架部分の連続橋脚は、アール・ヌーヴォーが橋に適用された世界で最も見事な事例だというのに。2枚目の写真は、エッフェル塔から見たビル=アケム橋。その向こうに、斜めに架かっているのがルーエル鉄道橋。3枚目の写真は、地上から撮った全景。4枚目と5枚目は、橋の左右から同じ北側を撮ったもの。何が違うかと言えば、4枚目の写真は、5枚目の写真の7年後に撮ったこと。よく見ると、桁下の照明器具が5枚目では安っぽく、4枚目では建造当初の形に再現してある(6枚目はその拡大)。パリ市の努力が良く分かる。この高架橋を支える柱だが、下から上まで同じ断面の部分はなく、微妙な曲線を描いて上に行くほど大きくなり、最後は、逆L字型に曲がって橋桁の横の小さなS字型のカーブで終わっている。これこそが、アール・ヌーヴォーの真髄。それが247mにわたって続く世界で唯一の基調な風景だ。