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 トゥルノンのマルク=スガン歩道橋  Passerelle Marc-Seguin 

産業革命の先進国イギリスでは、1820年に鉄の鎖を使ったユニオン吊橋が架けられて以後、時代の寵児だったテルフォードが、コンウィ吊橋 (1826年)、メナイ吊橋(1826年、スパン176m)と鉄の鎖を使った吊橋を普及させていった。一方、フランスでは、マルク・スガン (Marc Seguin)が、1825年に、現在の吊橋の原点となるワイヤーを使った吊橋(スパン85m×2)をトゥルノン=シュル=ローヌのローヌ川に自費で架けた(99年分の通行料の代わりに)。イギリスの記念すべき橋はほとんどすべて現存しているのに、世界初の実用的ワイヤー吊橋は、フランス的合理主義により、その後ひどい目に遭った。まず、ローヌ川を蒸気船が通るようになると、川面から近い吊橋は嵩上げを要求され、入口に階段を付けたため、歩道橋となり、マルク・スガンは最初の吊橋の100m下流に、1849年に道路交通用として、もう一つの吊橋を架けた。そして、1965年4月25日、世界初のワイヤー式吊橋は “河川航行を容易にする” というだけの理由で、安易に解体された。幸い、マルク・スガンの架けた1849年の橋は、マルク=スガン歩道橋として残っている。1枚目の写真は、フランスのこうした考え方に抗議して、2代目の吊橋の遠景だけ掲載する。代わりに、当時の絵葉書で変遷を示しておこう。2枚目は1825年の吊橋、3枚目は、1825年の吊橋と、マルク・スガンが架けた2代目の吊橋が並んで写っているもの。4枚目は、入口に階段を付けて嵩上げされた1825年の吊橋。