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モンテシュのガロンヌ運河
Canal latéral à la Garonne
モンテシュの傾斜水路
"Pente d’Eau" de Montech
この写真は、
ガロンヌ運河
のモンテシュの傾斜水路と平行している区間を撮ったもの。遠くの方に閘門が見える。要するに、この区間にある閘門群を回避するために(閘門の通過に時間がかかる)、ガロンヌ運河ができてから118年後にモンテシュの傾斜水路が作られ、非常に短時間で通行できるようになった。写真に撮った場所は、運河が1856年に作られた当時の姿を一番良く残した部分(もちろん、木はこんなに大きくなかった)。ガロンヌ運河についてはトゥールーズのランブシュール港(No.18)に詳しく書いてある。
ここでの主眼は、1974年に作られた
モンテシュの傾斜水路
にある。フランス語の "Pente d’Eau" は「水の楔」を意味する。このアイディアは、①傾斜水路に水を張ることはできない。②その代わり、1枚の「遮蔽板(masque)」を水路に直角に置き、そこに少量の水を入れて、三角形の「水の楔」を作り、そこに船を1隻浮かべ、「遮蔽板」を上下させれば 「水の楔」も上下して船を運べる、という信じられないような奇抜なもの。実際の手順を、私が撮った写真で示そう。向こうから貨物船がやって来ると、「水の楔」を運ぶ1000馬力のディーゼル電動車2両が「遮蔽板」を上げ、貨物船がくぐれるようにする(1枚目の写真)。船は「遮蔽板」をくぐって斜路に入る(2枚目の写真)。この部分は、まだ運河と同じ水深が確保されている。船が定位置で停まると、船がぶつかっても「遮蔽板」への衝撃を緩和する「緩衝アーム」が下ろされる(3枚目の写真)。その後、「遮蔽板」が下ろされ傾斜水路に密着すると、「緩衝アーム」と船をロープでつないで、船が先に進み過ぎないように縛る(4枚目の写真)。作業が終わると、そのままの状態で、連結したディーゼル電動車2両が傾斜水路の両脇の線路を登り始め、それにつれて「水の楔」も一緒に上がって行く(5枚目の写真)。写真の一番手前はコンクリートの斜路、その先にに、ひたひたと登って来る「水の楔」が見える。船は、この細長い三角形の「水の楔」に浮かんだまま、上昇を続ける。傾斜水路は、勾配3%のコンクリートの傾斜路(標高差13.3m、長さ443m)で、350tonの船を30分ほどで昇降させることができる。船が傾斜水路の一番上に着き、その向こうの運河の水位と同じ高さまで来ると、水門が開けられ、船がロープを外し、出て行く用意をする(6枚目の写真)。船が出て行っても、水門が閉まるまで、「遮蔽板」は下げたままにしないといけない(7枚目の写真)。その間に、船は運河へと出て行く(8枚目の写真)。船が出て行った後、しばらくすると、傾斜水路に水が入らないように水門が閉じられる(9枚目の写真)。右端に見えるのが閘門のあるガロンヌ運河。この先で両者は合体する。