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マコンのサン=ローラン橋
Pont de Saint-Lauran
マコン(Mâcon)の町の
サン=ローラン橋
は、ローヌ川の最大の支流(Saône)川に架かる最古の橋(1077年の文書に記述があるので11世紀起源)。橋は長さ215mで、真ん中より左岸寄りで、少し方向が変わり、全体に下流に向かって曲がった形になっている。右岸側の1連は橋爪広場に改修され、残りの5連は、左岸側の6連よりスパンがやや大きい。この違いは、15世紀後半に、マコンの水害を軽減するために6連のアーチを架け替えたため。橋は、その後も何度も改修され、特に蒸気船が登場した19世紀に入ると、1843~45 年にかけて、蒸気船の航行を可能にするために右岸側の4つアーチが嵩上げされた。最も水面から高いのは4番目のアーチで幅も9.70mと広い。このサン=ローラン橋に、1980年1月9日に、La Renaissanceという名の艀(はしけ)が衝突し(1枚目の写真)、約 240~250tのトウモロコシを失った。ソーヌ川では、半官半民のローヌ国立会社(CNR, Compagnie Nationale du Rhône)の手で、リヨンからライン川へ抜ける運河の拡幅工事が行われており、サン=ローラン橋にも何らかの処置が必要となることは目に見えていた(橋をどうするかが一大問題となった)。度重なる改修によって原形を留めていないので 「廃橋止むなし」 とする声や、航路にあたる数スパンだけ改造しようとする案もあったが、結果的には、「永年都市の一員だった橋を、橋そのものには何の瑕疵もないのに、人間の都合で壊したり改造するのは良くない」 との判断が下された。かくして、サン=ローラン橋は歴史的建造物として保存され、マコン市の対岸に、橋を迂回する延長3675mのバイパス運河(Saint-Laurent-sur-Saône bypass canal)が1991年に完成した。2枚目の写真は、左岸側の下流から見た橋の全景、3枚目の写真は拡幅の跡がはっきり残る上流側(橋脚も下流側と違って三角形)。4枚目の写真は、サン=ローラン橋のためのバイパス運河。橋を守るためにバイパス運河を掘るとは大したものだ。日本では考えられない。