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ディジョンのノートルダム教会 Église Notre-Dame, Dijon
ディジョンのノートルダム教会は1220~40年という短期間に作られたゴシック様式の教会。ただ、大聖堂ではなく、ただの教会なので、身廊の天井高は18.5mと小規模。この教会を有名にしているのは、アンジェ大聖堂のファサードを凌ぐ、1枚の壁と化したファサード・エクラン(façade-écran、凹凸の少ない平面的なファサード)。ファサードの入口の上は、2列のアーケードになっていて、それぞれが17本の柱列で構成されている(1枚目の写真)。ただ、それだけ見ると、高さ28.6m、幅19.5mの壁なので巨大に見えるが、考えてみればアミアン大聖堂は身廊の天井高が42.3mなので、高さ28.6mはすっぽり入って13m以上隙間ができる。結局、不思議なだけで、真に素晴らしいものではない。このファサードをさらに、“他に例がないほど奇妙” にしているのは、①17本の柱で支えられた上層のアーケードの上の壁、②17本の柱で支えられた下層のアーケードの上の壁、③下層のアーケードの下の壁、の3ヶ所に、17×3=51個の偽ガーゴイル(雨樋の終端ではなく、ガーゴイルに似せた彫像)が並んでいること(2枚目の写真/転載)。奇態としか言いようがない。しかも、このガーゴイルが作られたのは、1880~82年と新しく、教会ができてから640年後だ。なお、翼廊の交差部にあった鐘楼は、1873年、スレート葺きの尖塔(高さ83.6m)に建て替えられた。ステンドグラスは、ほんの僅かに創建時のものが残っているだけで、残りはすべて1874~97年に作られたもの。ガーゴイルも尖塔もステンドグラスもすべて1874~97年の間の出来事。一体どうなっているのだろう?